万年筆

2024年12月01日

若い頃は、万年筆で手紙も日記も書きまくりました。
A4のレポート用紙10枚の手紙を書くなんて事も、ざらでした。しかも小さな字で、
びっしりと。万年筆は、とにかく書く事が好きな私に、夫がプレゼントしてくれた
ものです。いつ貰ったのか忘れましたが、たぶん結婚して間もない頃でしょう。
しかし、万年筆が壊れてボールペンを使うようになったのか、ついついお手軽な
ボールペンに移行してから万年筆が壊れたのか記憶が曖昧ですが、万年筆は書けなくなり、
それからずっと机の引き出しの片隅にしまわれたままになりました。
ふと万年筆の存在を思い出したのは、ここ数年を遡る頃。
ネットで調べたら、インクが固まっているだけの事もあるからということで、ペン先
を水につけてみたりしましたが、いっこうに直る兆しなし。それから、また数ヶ月
放置し、なんてことやってました。
ある時突然、真剣に万年筆を直そうと思い立ちました。取り立てて動機があった訳でも
何かがきっかけでそう思った訳でもないのですが、そういう事ってありますよね。
最初は、何十年も前の古い型の万年筆だし、うんともすんとも書けないので
直るかどうか、わからないなと思っていました。
まず、セーラー万年筆のホームページの問い合わせフォームからメッセージを
送りました。返事を下さったのは、担当のTさん。以降、連絡はメールでの
やりとりになるのですが、Tさんはメールの末尾を「今日も素敵な1日をお過ごし下さいませ」
と締めくくるステキな人です。Tさんに万年筆を送って見てもらったところ
現行で同じ商品はないけど直りそうとの事で、それを聞いてほっとしました。
その後、修理の過程で向こうのミスでペン先の玉が飛び(それがどういう事か、
私にはわかりませんが)14金が21金になるとのお詫びの電話があり、
昨日修理が完了した万年筆が届きました。
届いた万年筆は丁寧に梱包されていて、細かいキズがついてくすんだ感じだった
黒色の本体はこころなしかぴかぴかになり、外の金属部分も新しいのに交換されて
金色に輝いていました。修理代金は、1650円でした。
ペン先をグレードアップして、付属の金属も交換し、宅配便での返送、の代金が
これでは安すぎます。何よりも、担当のTさんの丁寧な対応が嬉しかったです。
利益のみを追求する企業とのやりとりで傷つくことが多い昨今、こんなに心温まる
対応をしてくれる会社もあるんだと、幸せな気持ちになっています。

essay-fountainpen

魔女イメージ
  • アンティークキルト1930年代
  • アンティークキルト1800年代
  • キルトトップ
  • ショップ紹介
  • ご注文方法
  • エッセイ