「キャンドルウィック」をネットで検索すると、周囲に水滴のような丸いガラスの玉が
鏤められたエレガントな食器に行き着きます。
アメリカで1900年代の中頃につくられた食器だそうです。
こちらもロウソクの芯をモチーフにしたものらしいです。
とても可憐で、きらきらした輝きに心惹かれるものがあります。
他にもキルト制作用のキャンドルウィックの糸が市販されていて、少数ですがその糸で
制作されたキルトの写真も見ることができます。
しかし、アメリカのアンティークキルトの市場ではキャンドルウィックのキルトは
大変稀で、私がキルトに関わるようになってからはほとんど出会ったことがありません。
1~2回は見たことがあるのかもしれませんが、記憶に残るような作品ではなかったのでしょう。
ですので、このキルト(トップ)を見た瞬間、迷わずに購入を決めました。
葡萄の実と蔓、ポットに飾られた花々、装飾のライン、そしてウィックで埋められたハート。
これら全てがとてもバランスよく、バッククロスをキャンバスにして描かれています。
ベースのファブリックは厚めのコットンです。
この布に太めのウィックを刺すのは、大変だったことでしょう。
古い時代のキルトでよく見かけるフォーポストタイプで、この時代のベッドには足のほうに
柱があることが多かったため、ベッドカバーとして使いやすいように下部左右にスクエアが
切り取られています。
上部の楕円の中にH.D.Jという制作者のイニシャルと1860の制作年代。
下部のポットの下にもH.J.とイニシャルが刺繍されています。
レアで美しいキルトトップです。
キルトに仕立てる類いのものではなく、このままで楽しんでいただくために完成された作品かもしれませんが、裏布がありませんのでキルトトップのカテゴリーに入れることにしました。
*エッジは裏側に折り返されて、手縫いでまつってあります。
商品番号 | TCW-451 |
---|---|
商品名 | キャンドルウィック |
価 格 | 128,000円 |
制作年代 | 1860年 |
サイズ(約) | 236x235センチ(下部の左右に40センチ四方のカットアウト) |
ニードルワーク | ハンドエンブロイダリー |
コンディション | 大変古いものですのでベースのファブリックに少々の劣化があります。 約2センチのホールと7センチの裂けがひとつづつ、フォーポストにカットしてある部分に9センチの裂けの修繕、それと一部分に裂けが集中している箇所があります。実用にお使いになるには弱っている部分に裏布を当てるとかチュールで保護するなどの必要があるかもしれません。私のところへ来てから一度お洗濯をしていますので清潔ですが、取りきれなかった変色が少し残っています。 |