エッセイ

2021年01月25日

エッセイを本にしました

つれづれなるままに綴ったエッセイがたまりました。
サーバーの容量というものがありますので、少し整理しなくては
と思って、アナログではありますがブックにまとめてみました。
それで、ショップを開設した頃からのエッセイの最初のほうは
ちょっと前に削除しました。
データの整理は今の時代色々な方法があって迷いますが
自分に合ったやり方でまとめればいいと思います。
所詮そう長くはない人生、小さな私の記録なんて取るに足るものでは
ありません。

essay-book

2020年10月01日

曼珠沙華

「綺麗なオハナが咲いているよ」と孫が指差す先を見ると、燃えるような赤の彼岸花。
「その花はね、採って家に持ち帰ると、家が火事になるって子どもの頃に言われたのよ」
と、つい口に出てしまいました。
そんな事あるわけないじゃん~、っておおよそ言い伝えとか迷信とかは信じない私は思うのですが、
この妖艶な花には、そんな怪しいエピソードが似合う気がして、
ちょっと怯んだ孫を見て、よしよしと内心満足しました。
秋になると、そこここの田んぼの畦を赤く彩る曼珠沙華の花。
昔からの言い伝えは根拠のないものも多々あって、近代の科学の進歩の裏でだんだんと消えゆきます。
そんな言い伝えのひとつふたつぐらい、残ってもいいですよね。
新美南吉の「ごんぎつね」を思い出す花でも、あります。

*後で調べたところでは、根の部分に毒があるそうです。

essay-manjushage

2020年09月26日

アイロン

保証書には昭和52年6月10日の記載があります。学生の頃に秋葉原の電気店で購入したものです。
ネットなどない時代ですので、お店で他のアイロンと見比べて、ベストと思って決めました。
大切に使い、使い終わるとオリジナルの紙箱にしまっていましたので、、毎回コードの同じ箇所が曲がって、ついにコードを巻いている布カバーに穴が開きました。
それでも使い続けていたのですが、さすがに何とかしなくてはと思うようになって、
アイロン自体の性能は全く問題ないので、コードだけ替えられないかと考えました。
古いものなので、ほとんど不可能とも思いましたが、ダメモトで製造元の日本フィリップスに
電話をしてみました。
答えは予測し得たことではあったのです。もちろん、部品は今はなくコードの取り替えは不可、その上危険なので使わないようにとのお達し、さらに出来れば製造元へ送り返して欲しいと言われました。事故があった時の責任を免れたいのでしょう。
一旦は断ったのですが、線がむき出しになっているのを見た家族からいかにも危ないと言われて
新しいアイロンを買うことにしました。
このフィリップスのアイロンは、依頼通りに製造元の日本フィリップスに送り返すことにしました。
長い間愛用して来たアイロン、子どもたちのリュックを作ったり、エプロンを作ったり、さまざまなシーンでよく働いてくれまさした。「お家」に帰って、ゆっくり休んでね。
ちなみに、フィリップスはオランダのメーカー、今はアイロンはつくっていないそうです。

essay-iron 

 

2020年08月03日

アイスクリーム会

食べることが大好きなメンバー数人がなんとなく集まってできた、食べ物クラブ。
それほど本格的な活動はしていませんが、夏のイベントは我が家でのアイスクリーム会。

5種類ぐらいのアイスクリームをつくって、それぞれにアレンジします。
今年は、バニラアイスのクリームソーダ、抹茶アイスのよもぎ団子とアズキ餡添え、
ラムレーズンのコーンカップ、チョコレートのパフェ、それにこのアイスキャンデー。
キャンデーの型は3層になっていて、次々に凍らせると出来上がります。

次なる集まりは12月のケーキ会で、ケーキづくりが得意な別のメンバーが
腕を振るいます。

自宅でおいしいものを食べるのはささやかな楽しみですが、
今後のコロナの行方が分からなくて心配です。

 

essay-icecream

2020年06月07日

はんだい

飯台…「めしだい」じゃなくて「はんだい」と読みます。
子どもの頃、ご飯を食べていたテーブル。
も少し新しいテーブル(←これも、どこかで回収して来た)を置いてみたんだけど、
どうもしっくり来なくて、これに落ち着きました。

半世紀以上、使われ続けた「はんだい」
昔の記憶が次々と蘇ります。
全国的にこう言っていたかどうか定かではないのですが、
残った食べ物を入れておく「はいちょう」、これはキャビネットのようなもの。
食べ物が傷まないように、引き戸は網になっていました。

食器の数はあまり多くなかったのですが、いつもテーブルには唐子の模様の
取り皿があって、「おてしお」と呼んでいました。
人気アニメのイラスト入りの子ども用ご飯茶碗に、花模様などがついた
ピンクのプラスチックのお箸。

物心がついた頃、ご飯は「おくど」で、炊いていました。
保温できるジャーはまだなくて、炊き上がったご飯は「おひつ」に入れていました。
冬はご飯が冷めないように、おひつを藁で出来たカバーに入れていましたっけ。

壁には「食べ合わせ」のイラスト入り一覧表。
これとこれを一緒に食べると、お腹が痛くなりますよ。
かき氷と天ぷらだったかな~、他はよく思い出せません。

そうそう、と思って下さるあなたは、私と同年代?

essay-handai

2020年02月07日

お皿

子どもの頃、カレーライスを食べたお皿です。

陶器というものに造詣がないのでよくわからないのですが、
戦後ノリタケなどの有名な窯を模して、街の小さな窯でつくられたものでしょうか。
裏を見ると、聞いたこともないような刻印(プリント)があったり、何もなかったり。
決して良いものとは言えないのですが、模様が微妙にずれているところもまた
愛らしかったりします。

このチープなかわいいお皿は、ひとつのカテゴリーを形成していて
このシリーズが好き、という人が私の他にいてもいいと思うのですが、
なぜか愛好家が集まったり、ブームになったりしません。

ただひとり、そうひとりでひっそりと「このお皿が好きなの」とつぶやいて
食器棚から取り出して、カレーを食べるのです。

essay-plates

2019年10月15日

大草原の小さな家

「大草原の小さな家」が再放送されています。
最初にテレビで放映されたのは1975年で、その後も再放送があったと記憶しています。
かつて家族の誰かが何となくその番組を見ている前を通り過ぎたことがあったのですが、
別段足を留めることもなく、一緒に見入ることもなく、つまり興味がなかったのだと思います。
それが、今回は私の心を惹きつけました。
番組は変わってないのに、変わったのは私のほうなのでしょう。
キルトに出会ったのも、大きな要因と思います。
ストーリーには素敵なキルトが度々登場します。
物が乏しかった時代、布は貴重でした。そして、端切れを寄せ集めてキルトを縫うのですが
キルトに限らず、普段身につける服から家庭の中のさまざまなものまで、
主婦は全て手作りしなくてはなりませんでした。
縫い物をしたり、料理を作ったり、(牛が手に入った時、「これでバターが作れるわ」と言って
います)は妻の仕事。家を建てたり(ログキャビン!)、畑を耕したりは夫の仕事。
それぞれが、それぞれの仕事を見事にこなして、助け合って、お互いを尊重して毎日を
暮らしています。
そして、その底辺には「信仰」が大きな役割を果たしています。
人が今より自然に近かった時代、神様にもより近かったのでしょう。
信仰なしではやっていけないほど、開拓時代の暮らしは厳しかったのだと思います。
人の力ではどうしようもない自然と向き合う時、人は神にすがるしかありません。
その信仰が家族をひとつにまとめていた、とも言えると思います。
今よりうんと不便な時代だったけど、美しい自然と愛に満ちた日常が現代を生きる私たちの
心を動かすのでしょう。

essay-daisougen

2019年07月05日

夕陽

農業は明るい時間が勝負の仕事です。
なので、日没まで家に帰れません。
ともすると、日没後も作業場で翌日の出荷のための仕事をすることもあります。
たまには早く帰ろうよ、となった時にはラッキーにも晴れていると、2階の窓から山の稜線に沈む
夕陽を見ることができます。
茜色の空がだんだんグレーになっていくその一刻一刻は愛おしくて、
ガラスの中に閉じ込めてしまいたいと思います。
これまでのこと、これからのことに思いを廻らせ、時間の軸の今という点にいる私を再認識する時間。
そんな時間が、好きです。

essay-yuhi

2019年04月06日

1本の桜

今年も会いに行って来ました。
市役所の支所の坂を下ったとことにある、1本の山桜。
美しい純白の花を枝いっぱいにつけて、青い空に大きく枝を広げ、風にそよいでいます。
凛としたその風情に、心を動かされるのです。
いつからそこにあるのか、以前は見る人など誰もなく、ひっそりと咲いていたのでしょう。
数十年前にこのあたりが開発されて、市役所やホールが出来て道路が通り
この桜の脇を車が行き交うようになりました。
私もその道を通って、この桜と出会ったひとりです。
見る人誰もを感動させる、見事な桜の木。
この季節になると地域の人々の静かな話題となります。

essay-sakura

2019年02月01日

水仙

今の家に引っ越して、1年が経ちました。
引っ越した時に迎えてくれた水仙が、今年も花をつけました。
水仙の控えめな佇まいと、ふくよかな香りが大好きです。

あれから、前の住人がお庭に残してくれた球根類が次々に花を咲かせて
嬉しいサプライズが続きました。
その時々の花々が私たちを癒して元気づけてくれました。

この庭を眺めながら年を重ねられることの幸せを思います。

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